モオリアックを俟つまでもなく、作家にとつて自分を棄てることがいかに大切であるかと云ふ事は、今日、私たちの最も關心をもつべき問題となりつつある。
――さういふ今日、私はいままで好い氣になつて自分自身の物語、或ひはそれに似たものをばかり書いてきた私自身がすこし腹立しいくらゐである。
さうして最初から、さほど苦勞せずに、他人を觀察して得たものだけで物語を書くことに慣れてゐる人達がたいへん羨しい氣もする。
モオリアックを俟つまでもなく、作家にとつて自分を棄てることがいかに大切であるかと云ふ事は、今日、私たちの最も關心をもつべき問題となりつつある。
――さういふ今日、私はいままで好い氣になつて自分自身の物語、或ひはそれに似たものをばかり書いてきた私自身がすこし腹立しいくらゐである。
さうして最初から、さほど苦勞せずに、他人を觀察して得たものだけで物語を書くことに慣れてゐる人達がたいへん羨しい氣もする。