「ところが、それに反して、ドストエフスキイは人間心理の縺れを解きほごさうとはしなかつた。
――彼の人物にあつては、崇高と破倫と、低い衝動と高い願望とが、解きほごしがたく、もつれ合つてゐる。
それはもはや理性の動物――「吝嗇漢」「野心家」「高利貸」ではなしに、遺傳を負はされ、缺點のある、血肉の人間だ。
「ところが、それに反して、ドストエフスキイは人間心理の縺れを解きほごさうとはしなかつた。
――彼の人物にあつては、崇高と破倫と、低い衝動と高い願望とが、解きほごしがたく、もつれ合つてゐる。
それはもはや理性の動物――「吝嗇漢」「野心家」「高利貸」ではなしに、遺傳を負はされ、缺點のある、血肉の人間だ。