快活さうな男で、淺間山をはじめて見に來て、どうもかうも仕樣のないくらゐ好きになつて、毎日恍れ恍れと山許り見て暮らしてゐたやうだつたが、とうとう或朝、一人で山へ登つてくると云ひ出した。
主人に一人ぢやとても行けませんからと云つて止められたので、それは思ひ止まつたらしかつた。
その代り、途中の血の池まで行つてくると云つて、それまでの道筋を主人に聞いて、寫眞機だけ手にして出ていつたが、それがさあ夕方になつても、夜になつても歸つて來ない。
快活さうな男で、淺間山をはじめて見に來て、どうもかうも仕樣のないくらゐ好きになつて、毎日恍れ恍れと山許り見て暮らしてゐたやうだつたが、とうとう或朝、一人で山へ登つてくると云ひ出した。
主人に一人ぢやとても行けませんからと云つて止められたので、それは思ひ止まつたらしかつた。
その代り、途中の血の池まで行つてくると云つて、それまでの道筋を主人に聞いて、寫眞機だけ手にして出ていつたが、それがさあ夕方になつても、夜になつても歸つて來ない。