その午後、私が晝餉ををへた時分、隣室に客が通されて、物靜かな老婦人らしい話し聲がしだした。
隣室とはいへ、私の居間になつたお小姓の間からは、疊廊下と控への間とを隔てた、大名の泊つた上段の間だから、話し聲は殆ど聞き分けられない。
しかし、さつき村はづれで繪を描いてゐた老婦人とその附添ひの上品な婦人にちがひないことは分つた。
その午後、私が晝餉ををへた時分、隣室に客が通されて、物靜かな老婦人らしい話し聲がしだした。
隣室とはいへ、私の居間になつたお小姓の間からは、疊廊下と控への間とを隔てた、大名の泊つた上段の間だから、話し聲は殆ど聞き分けられない。
しかし、さつき村はづれで繪を描いてゐた老婦人とその附添ひの上品な婦人にちがひないことは分つた。