その間、私は心にもなく、プルウストの本を殆ど手離してゐた。
唯、ときたま、ガボリイのプルウスト論の中で見つけた「私の月日が砂のやうに私から落ちるのを感ずる悦び」と云ふクロオデルの言葉が思ひがけずに私の口をついて出てくるやうな瞬間があつた。
そしてちよつとの間だけ、私はその文句そつくりの悦びに浸つてゐるのだつた。
その間、私は心にもなく、プルウストの本を殆ど手離してゐた。
唯、ときたま、ガボリイのプルウスト論の中で見つけた「私の月日が砂のやうに私から落ちるのを感ずる悦び」と云ふクロオデルの言葉が思ひがけずに私の口をついて出てくるやうな瞬間があつた。
そしてちよつとの間だけ、私はその文句そつくりの悦びに浸つてゐるのだつた。