一高にはひり立ての頃、ああいふ立派な本を買つて勉強してみたいと思つたこともあつたが、別に自分は植物學を專攻するつもりもなかつたので、道樂の本にしては學生の身には少し高價すぎて手が出なかつたのである。
まあ今なら買はうと思へば買へないこともないので、氣まぐれにそれを手にとつて、よつぽど買つてやらうかといふ氣になりかけては、しばらくその本を撫でまはしながら細胞の插繪などを見てゐるうち、矢つ張りそんな勇氣がなくなつてしまふ。
もう一人は岩元禎先生である。
一高にはひり立ての頃、ああいふ立派な本を買つて勉強してみたいと思つたこともあつたが、別に自分は植物學を專攻するつもりもなかつたので、道樂の本にしては學生の身には少し高價すぎて手が出なかつたのである。
まあ今なら買はうと思へば買へないこともないので、氣まぐれにそれを手にとつて、よつぽど買つてやらうかといふ氣になりかけては、しばらくその本を撫でまはしながら細胞の插繪などを見てゐるうち、矢つ張りそんな勇氣がなくなつてしまふ。
もう一人は岩元禎先生である。