「ツアラツストラ」はどうしても讀めなかつた。
その代りに、この孤獨な哲學者がヴェニスの日かげを散歩しては、ショパンの音樂を愛しながら書いてゐたといはれる「曙光」などが私には一番好ましかつた。
「哲學の本は、君――」芥川龍之介さんらしい人が私に向つていつた「夜汽車のなかで讀むものだよ。
「ツアラツストラ」はどうしても讀めなかつた。
その代りに、この孤獨な哲學者がヴェニスの日かげを散歩しては、ショパンの音樂を愛しながら書いてゐたといはれる「曙光」などが私には一番好ましかつた。
「哲學の本は、君――」芥川龍之介さんらしい人が私に向つていつた「夜汽車のなかで讀むものだよ。