芥川さんはなんでもその扇面に、小さな細い字で「明星のちろりに響けほととぎす」といふ句をお書きになつた。
それをその扇子に書いてしまはれると、こんどはお二人で在りあはせの紙に、即興句を口ずさまれながら、しきりに何やらお書きになつてゐられた。
その多くは書くそばからすぐ丸められたが、そのうち芥川さんは一枚だけ、やや氣に入られたか、破かれずに脇に置いておかれた。
芥川さんはなんでもその扇面に、小さな細い字で「明星のちろりに響けほととぎす」といふ句をお書きになつた。
それをその扇子に書いてしまはれると、こんどはお二人で在りあはせの紙に、即興句を口ずさまれながら、しきりに何やらお書きになつてゐられた。
その多くは書くそばからすぐ丸められたが、そのうち芥川さんは一枚だけ、やや氣に入られたか、破かれずに脇に置いておかれた。