私はその片隅にぼんやり腰を下ろしながら、その途端おやと云ふやうな氣持で、硝子戸の向うの、松林に續いてゐるテラスに、一組の少年と少女とが籐椅子に凭れてゐるのを認めた。
硝子ごしに物を見るといふことはいくぶん人を空想的にさせるものらしい。
――私は最初は、その二人をそのホテルに泊つてゐる兄弟で、恐らくゴルフでもしてゐる父の歸りか、或は私と同じやうに夕食の時間を、さうやつて待つてゐるのだらう位に思つてゐた。
私はその片隅にぼんやり腰を下ろしながら、その途端おやと云ふやうな氣持で、硝子戸の向うの、松林に續いてゐるテラスに、一組の少年と少女とが籐椅子に凭れてゐるのを認めた。
硝子ごしに物を見るといふことはいくぶん人を空想的にさせるものらしい。
――私は最初は、その二人をそのホテルに泊つてゐる兄弟で、恐らくゴルフでもしてゐる父の歸りか、或は私と同じやうに夕食の時間を、さうやつて待つてゐるのだらう位に思つてゐた。