* 彼の晩年に書いてゐた一册の手帳に「ピストルの話」といふエッセイのための草案らしいものが二三頁にわたつて記せられてあるが、それはその祖父の若いころの話をすぐ私に聯想せしめた。
小學校にはひつてから、彼は少年雜誌「小國民*」を毎號愛讀するやうになつた。
それは當時(明治二十年代)の時代の思想を反映して、銅版畫などの插繪の豐富に入つた、すこぶる文明開化趣味の横溢した少年雜誌であつて、それが祖父の影響と相俟つて、後年の彼の特異なる趣味を培つたものといへよう。
* 彼の晩年に書いてゐた一册の手帳に「ピストルの話」といふエッセイのための草案らしいものが二三頁にわたつて記せられてあるが、それはその祖父の若いころの話をすぐ私に聯想せしめた。
小學校にはひつてから、彼は少年雜誌「小國民*」を毎號愛讀するやうになつた。
それは當時(明治二十年代)の時代の思想を反映して、銅版畫などの插繪の豐富に入つた、すこぶる文明開化趣味の横溢した少年雜誌であつて、それが祖父の影響と相俟つて、後年の彼の特異なる趣味を培つたものといへよう。