そのおなじ雜誌に、まだ無名の詩人だつた室生犀星の「小景異情」といふ詩を見出し、彼が驚異やむことを知らなかつたのも、その頃である。
彼はその時分のことを追想してかう記してゐる。
「私は人眼をしのんで、利根川の石垣のかげや、砂丘の凹所にこつそり隱れてゐた。
そのおなじ雜誌に、まだ無名の詩人だつた室生犀星の「小景異情」といふ詩を見出し、彼が驚異やむことを知らなかつたのも、その頃である。
彼はその時分のことを追想してかう記してゐる。
「私は人眼をしのんで、利根川の石垣のかげや、砂丘の凹所にこつそり隱れてゐた。