「私は人眼をしのんで、利根川の石垣のかげや、砂丘の凹所にこつそり隱れてゐた。
そこで私は悲しい感情にみちた詩をつくつたり、あるときは彼(犀星)の詩の載せてある雜誌を手にして、利根川ちかき松林の小路を旅びとのやうにどこまでも歩いていつた。
そして彼は屡〻金澤にゐる犀星のところへ長い手紙を書いては、わづかに心を慰めてゐた。
「私は人眼をしのんで、利根川の石垣のかげや、砂丘の凹所にこつそり隱れてゐた。
そこで私は悲しい感情にみちた詩をつくつたり、あるときは彼(犀星)の詩の載せてある雜誌を手にして、利根川ちかき松林の小路を旅びとのやうにどこまでも歩いていつた。
そして彼は屡〻金澤にゐる犀星のところへ長い手紙を書いては、わづかに心を慰めてゐた。