彼は遂に大正十三年、年三十九にして、はじめて妻子をかかへて、故郷を去つて上京し、一先づ、大井町の陋巷に寓した*。
* 「大井町」「郵便局の窓口で」などの若干の詩がそこで出來た。
彼は大井町のやうな、襁褓の干してある下をくぐつて出入りするやうな、場末の佗しい町が好きだつた。
彼は遂に大正十三年、年三十九にして、はじめて妻子をかかへて、故郷を去つて上京し、一先づ、大井町の陋巷に寓した*。
* 「大井町」「郵便局の窓口で」などの若干の詩がそこで出來た。
彼は大井町のやうな、襁褓の干してある下をくぐつて出入りするやうな、場末の佗しい町が好きだつた。