その一群の花を四方から取り圍むやうにして、四人が四人とも思ひ思ひに足を投げ出して、他愛もないことに笑ひ興じてゐたつけが、僕達の知らぬ間に日影が移つて、一番端近くにゐた僕の肩が一ぱい日を浴びてゐるのに漸つと氣がついて、僕達が立ち上つた時まで、それは本當に愉しい一と時だつた。
あの一と時こそ、僕達自身もまた、マネエの草上の何とやら云つたやうな美しい畫中の人物になり切つて居たのではないのか知らん?
きのふも僕は、この大きな drawing-book をかかへて、何處かへ寫生に行かうと思つて、村はづれの方まで歩いて行くと、村の中ほどの一軒の農家の前であなた達三人が寄り添つて、何かその古びた家を眩しさうに見上げてゐるのを認めた。