やつと一人だけ通れるやうな芝の生えた小徑を、森だの野だのを横切つて、四人が後になり先になつて歩いて行きながら、その徑の兩側にいまを盛りに咲いてゐる、さまざまな植物の名を、僕は自分の知つてゐるだけ、――のみならず本當によく知らないのまで、知つたふりをして口から出まかせに、あなた達に言つて聞かせてゐるうちに、さつきからあちらに一かたまり、こちらに一かたまり、簇がつて可愛らしい小さな花を咲かせてゐるのが、どうもその名を昔教はつて知つてゐるくせに思ひ出せずにゐたつけが、――とても綺麗にその花が、一面に咲きみだれてゐる、いかにも涼しげな緑の木蔭があつた。
「これは何だつたつけなあ?
さつきから思ひ出せさうで思ひ出せないんだがなあ?