去年の春はその牡丹が咲き揃つてゐる間中、僕はよくその前で一人で長いこと怠けてばかりゐたものでした。
「しばらくありて眞晝の雲は處かへぬ園の牡丹の咲き澄みゐること」そんな利玄の歌などを口ずさみながら。
――その牡丹は、けふもまだあちこちに咲き殘つてゐる椿、木瓜、海棠、木蓮、蘇芳などと共に、花好きの妻の母が十年近くも一人で丹精した大事な植木です。
去年の春はその牡丹が咲き揃つてゐる間中、僕はよくその前で一人で長いこと怠けてばかりゐたものでした。
「しばらくありて眞晝の雲は處かへぬ園の牡丹の咲き澄みゐること」そんな利玄の歌などを口ずさみながら。
――その牡丹は、けふもまだあちこちに咲き殘つてゐる椿、木瓜、海棠、木蓮、蘇芳などと共に、花好きの妻の母が十年近くも一人で丹精した大事な植木です。