最近「かげろふの日記」「ほととぎす」それから「姨捨」と續けて平安朝の女たちの日記に主題を求めて短篇を書いてばかりゐますせゐか、屡〻平安朝文學に就いて何か書けなどと言はれますので、どうも飛んだ事になつたと思つてゐます。
まだ、そんな事について一家言をもてるほど、とつくりと讀んぢやゐないし、――いままで讀んだ二つ三つのものだつて自分勝手のいい加減な讀み方だし、――しかし、少し讀み出して見たところではなかなか好いので、これから大いに勉強するつもりはつもりでいろいろとその勉強の計畫も立ててゐますけれど、今のところそれに就いてかれこれ喋舌るのは、どうも氣が引けるのです。
この間も「文學界」の折口信夫さんを中心とした座談會にひつぱり出されました。