しかし、僕はいま他の仕事を控へてゐて、そんな八ヶ月はおろか、その三分の一ほどの閑暇さへちよつと得られさうもないので、家へ歸つて來てからも二三日そんな心を外へそらせるのに手古摺つた位でした。
――が、それもやうやつと、この夏の間に「若菜」二卷だけでもゆつくり讀み返すことにして置かうと、そんな情熱を抑へつけてゐるところへもつてきて、こんな文章を書かなければならない羽目になりました。
まあ、いま他にはちよつと思ひついた事がありませんので、その座談會で折口さんなどのお話をききながら、いろいろと考へさせられてゐた事でも少し書いて見ませう。