八月一日
ヴェランダから見てゐると、ホテルの中庭に他の山百合の群から離れて一つだけがぽつんと咲いてゐる山百合の奴が、さつきから小止みなく跳つてゐるのが、どうも目に立つのである。
私はその花が何をうれしがつてゐるのかを知りたいと思つて、わざわざ其處まで下りて行つたら、そこからは庭の奧の四阿屋の中でもういい年をした一組の男女の戲れ合つてゐるのが丸見えになつた。
八月一日
ヴェランダから見てゐると、ホテルの中庭に他の山百合の群から離れて一つだけがぽつんと咲いてゐる山百合の奴が、さつきから小止みなく跳つてゐるのが、どうも目に立つのである。
私はその花が何をうれしがつてゐるのかを知りたいと思つて、わざわざ其處まで下りて行つたら、そこからは庭の奧の四阿屋の中でもういい年をした一組の男女の戲れ合つてゐるのが丸見えになつた。