六月の初めこちらへ來たばかりのときは、何處へ行つても野生の躑躅が咲いてゐたり、うすぐらい林の中を歩いてゐると、他の木にからまつて藤の花が思ひがけないところから垂れてゐたりした。
そのうち小川に沿つてアカシアが咲き出した。
その時分は雨ばかり降つてゐたものだから、もうあの花も散つたかしらと思つて、それをしばらく見に行かないことを氣にしてゐたが、とうとう或る日、雨を冒してその小川のほとりまで行つて見た。
六月の初めこちらへ來たばかりのときは、何處へ行つても野生の躑躅が咲いてゐたり、うすぐらい林の中を歩いてゐると、他の木にからまつて藤の花が思ひがけないところから垂れてゐたりした。
そのうち小川に沿つてアカシアが咲き出した。
その時分は雨ばかり降つてゐたものだから、もうあの花も散つたかしらと思つて、それをしばらく見に行かないことを氣にしてゐたが、とうとう或る日、雨を冒してその小川のほとりまで行つて見た。