マルテはかかる不安を告白したのち、幼年時代の思ひ出を、彼の生の唯一の支へであるかのやうに喚びよせる。
スカンヂナヴィアの物靜かな風物、古い館、夭折した少女インゲボルク、奇妙な二三の插話、母の死、謎のやうなアベロオネ……
この手記の第一部は、かかる失意の人マルテが昔の人間のした立派な仕事、或博物館で見出した數枚のゴブラン織への讚歎によつて終る。
マルテはかかる不安を告白したのち、幼年時代の思ひ出を、彼の生の唯一の支へであるかのやうに喚びよせる。
スカンヂナヴィアの物靜かな風物、古い館、夭折した少女インゲボルク、奇妙な二三の插話、母の死、謎のやうなアベロオネ……
この手記の第一部は、かかる失意の人マルテが昔の人間のした立派な仕事、或博物館で見出した數枚のゴブラン織への讚歎によつて終る。