「あなたは私がこの本の背後に、恰も生き殘つた者のやうに止つてゐるのがお分かりになりますか?
……私はこの本の終りに近づけは近づくほど、それが何か一つのエポック――分水嶺――のやうなものを作るやうな氣がいたしました。
が、今や、あらゆる水が向う側に流れて行つてしまひ、そして私だけが、この希望のない果てしなき乾燥の中に取殘されてゐることは、確かな事物であります。
「あなたは私がこの本の背後に、恰も生き殘つた者のやうに止つてゐるのがお分かりになりますか?
……私はこの本の終りに近づけは近づくほど、それが何か一つのエポック――分水嶺――のやうなものを作るやうな氣がいたしました。
が、今や、あらゆる水が向う側に流れて行つてしまひ、そして私だけが、この希望のない果てしなき乾燥の中に取殘されてゐることは、確かな事物であります。