それから何日かの後、郡司の息子が異様に目を赫やかせながら言った。
「きのうの夕方、向うの壊れ残りの寝殿に焚きものを捜しに往きますと、西の対にちょうど夕日が一ぱいさし込んでいて、破れた簾ごしにまだ若そうな女のひとが一人、いかにも物思わしげに臥せっているのがくっきりと見えましたので、私はおどろいてその儘帰って来てしまいましたが、あれはどなたなのですか。
尼は当惑そうに、しかしもう見つけられてしまっては為方がないように、その女の不為合せな境涯を話してきかせた。
それから何日かの後、郡司の息子が異様に目を赫やかせながら言った。
「きのうの夕方、向うの壊れ残りの寝殿に焚きものを捜しに往きますと、西の対にちょうど夕日が一ぱいさし込んでいて、破れた簾ごしにまだ若そうな女のひとが一人、いかにも物思わしげに臥せっているのがくっきりと見えましたので、私はおどろいてその儘帰って来てしまいましたが、あれはどなたなのですか。
尼は当惑そうに、しかしもう見つけられてしまっては為方がないように、その女の不為合せな境涯を話してきかせた。