山一つ隔てただけで、こちらは、梢にひびく木がらしの音も京よりは思いのほかにはげしかった。
夜もすがら、みずうみの上を啼き渡ってゆく雁もまた、女にとっては、夜々をいよいよ寝覚めがちなものとならせた。
それから数年後の、或年の秋、その近江の国にあたらしい国守が赴任して来て、国中が何かとさわぎ立っていた。
山一つ隔てただけで、こちらは、梢にひびく木がらしの音も京よりは思いのほかにはげしかった。
夜もすがら、みずうみの上を啼き渡ってゆく雁もまた、女にとっては、夜々をいよいよ寝覚めがちなものとならせた。
それから数年後の、或年の秋、その近江の国にあたらしい国守が赴任して来て、国中が何かとさわぎ立っていた。