堀辰雄 『曠野』 そのあくる夜も、女は守のまえに呼ばれると、いよいよ身の置きどころもないように、いかにもかぼそげに、袖を顔にしながら其処にうずくまっていた。 女は相変らず一ことも物を言わなかった。 夜もすがら、木がらしめいた風が裏山をめぐっていた。 堀辰雄の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア