堀辰雄 『晩夏』 漸っと急な坂を湖水の岸まで下りて、こんどは岸の砂地を歩いた。 まだ二三隻、岸に繋がれていたボオトの尻を浪がぺちゃぺちゃと叩いていた。 そこにも人けは全く絶えていて、白いワイヤ種の犬が一匹、その浪打ち際を、一人で駈けずりまわっているだけだった。 堀辰雄の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア