そこにも人けは全く絶えていて、白いワイヤ種の犬が一匹、その浪打ち際を、一人で駈けずりまわっているだけだった。
夕方、私達が五つ六つの卓のあるきりの小さな食堂で、木の間ごしにちらちら見える湖水の面を眺めながら、セロリのついた野菜の皿に向っている最中、いましがた外から帰って来たらしい、外人の若い娘がふたりで食堂にはいって来た。
先きにはいって来たのは、半ズボンに白いポロシャツという服装で、頭も男の子のように刈り上げた、目鼻立のきりっとした美しい娘で、続いてはいって来たのは、薔薇色の着物をきた肥り気味の、おとなしそうな娘だった。