けさも明け方近くに目を覚ました私は、長い間そんな病人の寝顔を見つめてから、爪先き立って部屋を抜け出し、サナトリウムの裏の、裸過ぎる位に枯れ切った林の中へはいって行った。
もうどの木にも死んだ葉が二つ三つ残って、それが風に抗っているきりだった。
私がその空虚な林を出はずれた頃には、八ヶ岳の山頂を離れたばかりの日が、南から西にかけて立ち並んでいる山々の上に低く垂れたまま動こうともしないでいる雲の塊りを、見るまに赤あかと赫かせはじめていた。
けさも明け方近くに目を覚ました私は、長い間そんな病人の寝顔を見つめてから、爪先き立って部屋を抜け出し、サナトリウムの裏の、裸過ぎる位に枯れ切った林の中へはいって行った。
もうどの木にも死んだ葉が二つ三つ残って、それが風に抗っているきりだった。
私がその空虚な林を出はずれた頃には、八ヶ岳の山頂を離れたばかりの日が、南から西にかけて立ち並んでいる山々の上に低く垂れたまま動こうともしないでいる雲の塊りを、見るまに赤あかと赫かせはじめていた。