私達がいま上って来た谷陰は、そこから見下ろすと、いかにも恰好のよい小ぢんまりとした谷の一部分になっている。
ああ、いましがた例の橇に乗って一人だけ先きに帰っていった、あの小さな弟の姿が、裸の木と木との間から見え隠れしている。
その可哀らしい姿がとうとう下方の枯木林の中に消えてしまうまで見送りながら、一わたりその谷間を見畢った時分、どうやら小屋の中も片づいたらしいので、私ははじめてその中にはいって行った。
私達がいま上って来た谷陰は、そこから見下ろすと、いかにも恰好のよい小ぢんまりとした谷の一部分になっている。
ああ、いましがた例の橇に乗って一人だけ先きに帰っていった、あの小さな弟の姿が、裸の木と木との間から見え隠れしている。
その可哀らしい姿がとうとう下方の枯木林の中に消えてしまうまで見送りながら、一わたりその谷間を見畢った時分、どうやら小屋の中も片づいたらしいので、私ははじめてその中にはいって行った。