京へ上ったら、此世にあるだけの物語を見たいというのは、田舎にいる間からの少女の願だった。
が、まだしるべも少い京では、少女の心ゆくまで、めずらしい草子を求めることもなかなかむずかしかった。
国守までした父も、母と同様、とかく昔気質の人だったから、京での暮らしは、思ったほど花やいだものではなかった。
京へ上ったら、此世にあるだけの物語を見たいというのは、田舎にいる間からの少女の願だった。
が、まだしるべも少い京では、少女の心ゆくまで、めずらしい草子を求めることもなかなかむずかしかった。
国守までした父も、母と同様、とかく昔気質の人だったから、京での暮らしは、思ったほど花やいだものではなかった。