が、そういう云いしれぬ悲しみは、却って少女の心に物語の哀れを一層沁み入らせるような事になった。
少女はもっと物語が見られるようにと母を責め立てていた。
それだけに、其頃田舎から上って来た一人のおばが、源氏の五十余巻を、箱入のまま、他の物語なども添えて、贈ってよこして呉れたときの少女の喜びようというものは、言葉には尽せなかった。
が、そういう云いしれぬ悲しみは、却って少女の心に物語の哀れを一層沁み入らせるような事になった。
少女はもっと物語が見られるようにと母を責め立てていた。
それだけに、其頃田舎から上って来た一人のおばが、源氏の五十余巻を、箱入のまま、他の物語なども添えて、贈ってよこして呉れたときの少女の喜びようというものは、言葉には尽せなかった。