古い池のほとりにある、大きな藤は、春ごとに花を咲かせたり散らしたりした。
そのたびに、少女は乳母の亡くなったのは此頃だと悲しく思い出し、又、同じ頃亡くなった侍従大納言の姫君の手跡を取り出しては、一人であわれがったりしていた。
そんな五月の或夜、夜ふけまで姉と二人して物語など見ながら起きていると、少女の身ぢかに、猫の泣きごえらしいものが出し抜けにした。
古い池のほとりにある、大きな藤は、春ごとに花を咲かせたり散らしたりした。
そのたびに、少女は乳母の亡くなったのは此頃だと悲しく思い出し、又、同じ頃亡くなった侍従大納言の姫君の手跡を取り出しては、一人であわれがったりしていた。
そんな五月の或夜、夜ふけまで姉と二人して物語など見ながら起きていると、少女の身ぢかに、猫の泣きごえらしいものが出し抜けにした。