夜なかに急に火事が起って、その三条の屋形が跡かたもなく焼けてしまったのは、その春の末の事だった。
その火事と共に、大納言の姫君と思われて可哀がられていた猫もゆくえ知れずになってしまった。
――ひとまず、立退いた先の屋形は、非常に狭苦しくて、木なんぞはなんにも無かった。
夜なかに急に火事が起って、その三条の屋形が跡かたもなく焼けてしまったのは、その春の末の事だった。
その火事と共に、大納言の姫君と思われて可哀がられていた猫もゆくえ知れずになってしまった。
――ひとまず、立退いた先の屋形は、非常に狭苦しくて、木なんぞはなんにも無かった。