そのかわり、隣家の生い茂った木立が目のあたりに見え、何かの花の匂などが風につれてこちらまで漂って来るにつけても、少女は昔の木立の多かった屋形を、――又、それと一しょに焼け死んだのかも知れない猫の事などを、切ない程あざやかに蘇らせたりしていた。
或月あかりの夜、おおかたの人が寝しずまった夜なかまで、少女は姉と一しょに起きて、その家の端近くに出て物語などしあっていた。
そのうち話もと絶えがちになって、二人は黙って空をじっと仰いでいた。
そのかわり、隣家の生い茂った木立が目のあたりに見え、何かの花の匂などが風につれてこちらまで漂って来るにつけても、少女は昔の木立の多かった屋形を、――又、それと一しょに焼け死んだのかも知れない猫の事などを、切ない程あざやかに蘇らせたりしていた。
或月あかりの夜、おおかたの人が寝しずまった夜なかまで、少女は姉と一しょに起きて、その家の端近くに出て物語などしあっていた。
そのうち話もと絶えがちになって、二人は黙って空をじっと仰いでいた。