晩秋の一日、女は珍らしく思い立って、太秦へ父の無事を祈りに、ひとりで女車に乗って出掛けた。
一条へさしかかると、その途中に、物見にでも出掛けるらしい一台の立派な男車が何かを待ちでもしているように駐まっていた。
女が簾を深く下ろさせたまま、その前を遠慮がちに通り過ぎて往ってから、暫くして気がつくと、さっきの男車らしいものが跡から見え隠れしながら附いて来ていた。
晩秋の一日、女は珍らしく思い立って、太秦へ父の無事を祈りに、ひとりで女車に乗って出掛けた。
一条へさしかかると、その途中に、物見にでも出掛けるらしい一台の立派な男車が何かを待ちでもしているように駐まっていた。
女が簾を深く下ろさせたまま、その前を遠慮がちに通り過ぎて往ってから、暫くして気がつくと、さっきの男車らしいものが跡から見え隠れしながら附いて来ていた。