「まだ私の知らないこういうお方がいられたのですね――」などと珍らしそうに男は女の方を向いて云って、いつまでも気もち好さそうに話し込み、なかなか其処を立ち上がりそうにもなかった。
星の光さえ見えない位に真っ暗な晩で、外にはときどき時雨らしいものが、さっと木の葉にふりかかる音さえ微かにし出していた。
「こういう晩もなかなか好いものですね。
「まだ私の知らないこういうお方がいられたのですね――」などと珍らしそうに男は女の方を向いて云って、いつまでも気もち好さそうに話し込み、なかなか其処を立ち上がりそうにもなかった。
星の光さえ見えない位に真っ暗な晩で、外にはときどき時雨らしいものが、さっと木の葉にふりかかる音さえ微かにし出していた。
「こういう晩もなかなか好いものですね。