私もまだ若い身空でしたが、何んだかこうすっかりその琵琶の音が心に沁み入って、ほんとうに夜の明けるのも惜しまれた位でした。
――それからというもの、私はそんな冬の夜の、雪なんぞの降っている晩には極まってその夜の事を思い出し、火桶などかかえながらでも、かならず端近くに出ては雪をながめて居ったものでした。
――そんな若い時分の事もこの頃ではつい忘れがちになっておりましたのに、今、こうしてあなた達と話し込んでいますうち、その夜の事が急になつかしく思い出されて来たのです。
私もまだ若い身空でしたが、何んだかこうすっかりその琵琶の音が心に沁み入って、ほんとうに夜の明けるのも惜しまれた位でした。
――それからというもの、私はそんな冬の夜の、雪なんぞの降っている晩には極まってその夜の事を思い出し、火桶などかかえながらでも、かならず端近くに出ては雪をながめて居ったものでした。
――そんな若い時分の事もこの頃ではつい忘れがちになっておりましたのに、今、こうしてあなた達と話し込んでいますうち、その夜の事が急になつかしく思い出されて来たのです。