堀辰雄 『姨捨』 或夜、右大弁は又その一の宮に音楽のあそびに招かれて往っていた。 暁がた、男は一人で庭に降り立って、ほんのりとかかった繊い月を仰ぎ仰ぎ、読経などをしながら、履音をしのばせてそぞろ歩きしていた。 細殿の前には丁子の匂が夜気に強く漂っていた。 堀辰雄の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア