私の好んで行った山よりの落葉松林は、ときおり林の切れ目から薄赤い穂を出した芒の向うに浅間の鮮な山肌をのぞかせながら、何処までも真直に続いていた。
その林がずっと先きの方でその村の墓地の横手へ出られるようになっていることは知っていたけれど、或日私は好い気持になって歩いているうちにその墓地近くまで来てしまい、急に林の奥で人ごえのするのに驚いて、惶ててそこから引っ返して来た。
丁度その日はお彼岸の中日だったのだ。
私の好んで行った山よりの落葉松林は、ときおり林の切れ目から薄赤い穂を出した芒の向うに浅間の鮮な山肌をのぞかせながら、何処までも真直に続いていた。
その林がずっと先きの方でその村の墓地の横手へ出られるようになっていることは知っていたけれど、或日私は好い気持になって歩いているうちにその墓地近くまで来てしまい、急に林の奥で人ごえのするのに驚いて、惶ててそこから引っ返して来た。
丁度その日はお彼岸の中日だったのだ。