読み了っても、それを読みはじめたときから私の胸を一ぱいにさせていた憤懣に近いものはなかなか消え去るようには見えなかった。
しかし気がついてみると、私はこの日記を手にしたまま、いつか知らず識らずのうちに、一昨年の秋の或る朝、母がそこに腰かけて私を待ちながら最初の発作に襲われた、大きな楡の木の下に来ていた。
いまはまだ春先きで、その楡の木はすっかり葉を失っていた。
読み了っても、それを読みはじめたときから私の胸を一ぱいにさせていた憤懣に近いものはなかなか消え去るようには見えなかった。
しかし気がついてみると、私はこの日記を手にしたまま、いつか知らず識らずのうちに、一昨年の秋の或る朝、母がそこに腰かけて私を待ちながら最初の発作に襲われた、大きな楡の木の下に来ていた。
いまはまだ春先きで、その楡の木はすっかり葉を失っていた。