白い毛の外套に身を包んで、並んで歩いている彼女よりも背の低い夫には無頓著そうに、考え事でもしているように、真直を見たままで足早に歩いていた。
一度夫が何か彼女に話しかけたようだったが、それは彼女にちらりと蔑むような頬笑みを浮べさせただけだった。
――都築明は自分の方へ向って来る人込みの中に目ざとくそう云う二人の姿を見かけ、菜穂子さんを見るような人だがと思い出すと、俄かに胸の動悸が高まった。
白い毛の外套に身を包んで、並んで歩いている彼女よりも背の低い夫には無頓著そうに、考え事でもしているように、真直を見たままで足早に歩いていた。
一度夫が何か彼女に話しかけたようだったが、それは彼女にちらりと蔑むような頬笑みを浮べさせただけだった。
――都築明は自分の方へ向って来る人込みの中に目ざとくそう云う二人の姿を見かけ、菜穂子さんを見るような人だがと思い出すと、俄かに胸の動悸が高まった。