――都築明は自分の方へ向って来る人込みの中に目ざとくそう云う二人の姿を見かけ、菜穂子さんを見るような人だがと思い出すと、俄かに胸の動悸が高まった。
彼がその白い外套の女から目を離さずに歩いて行くと、向うでも一瞬彼の方を訝しそうに見つめ出したようだった。
しかし、何となくこちらを見ていながら、まだ何にも気づかないでいる間のような、空虚な眼ざしだった。
――都築明は自分の方へ向って来る人込みの中に目ざとくそう云う二人の姿を見かけ、菜穂子さんを見るような人だがと思い出すと、俄かに胸の動悸が高まった。
彼がその白い外套の女から目を離さずに歩いて行くと、向うでも一瞬彼の方を訝しそうに見つめ出したようだった。
しかし、何となくこちらを見ていながら、まだ何にも気づかないでいる間のような、空虚な眼ざしだった。