そしていつも話の圏外に置きざりにされている菜穂子には殆ど無頓著そうに見えたが、圭介の母は女だけに、そう云う菜穂子の落ち著かない様子に何時までも気づかないでいるような事はなかった。
彼女の娵がいまのままの生活に何か不満そうにし出している事が、(彼女にはなぜか分からなかったが)しまいには自分たちの一家の空気をも重苦しいものにさせかねない事を何よりも怖れ出していた。
この頃は夜なかなどに、菜穂子がいつまでも眠れないでつい咳などをしたりすると、隣りの部屋に寝ている圭介の母はすぐ目を醒ました。
そしていつも話の圏外に置きざりにされている菜穂子には殆ど無頓著そうに見えたが、圭介の母は女だけに、そう云う菜穂子の落ち著かない様子に何時までも気づかないでいるような事はなかった。
彼女の娵がいまのままの生活に何か不満そうにし出している事が、(彼女にはなぜか分からなかったが)しまいには自分たちの一家の空気をも重苦しいものにさせかねない事を何よりも怖れ出していた。
この頃は夜なかなどに、菜穂子がいつまでも眠れないでつい咳などをしたりすると、隣りの部屋に寝ている圭介の母はすぐ目を醒ました。