明の乗った信越線の汽車が桑畑のおおい上州を過ぎて、いよいよ信州へはいると、急にまだ冬枯れたままの、山陰などには斑雪の残っている、いかにも山国らしい景色に変り出した。
明はその夕方近く、雪解けあとの異様な赭肌をした浅間山を近か近かと背にした、或小さな谷間の停車場に下りた。
明には停車場から村までの途中の、昔と殆ど変らない景色が何とも云えず寂しい気がした。
明の乗った信越線の汽車が桑畑のおおい上州を過ぎて、いよいよ信州へはいると、急にまだ冬枯れたままの、山陰などには斑雪の残っている、いかにも山国らしい景色に変り出した。
明はその夕方近く、雪解けあとの異様な赭肌をした浅間山を近か近かと背にした、或小さな谷間の停車場に下りた。
明には停車場から村までの途中の、昔と殆ど変らない景色が何とも云えず寂しい気がした。