菜穂子は慌てずに、それを自分で始末してから、いつものように起きて、誰にも云わないでいた。
一日中、外には何んにも変った事が起らなかった。
が、その晩、勤めから帰って来ていつものように何事もなさそうにしている夫を見ると、突然その夫を狼狽させたくなって、二人きりになってからそっと朝の喀血のことを打明けた。
菜穂子は慌てずに、それを自分で始末してから、いつものように起きて、誰にも云わないでいた。
一日中、外には何んにも変った事が起らなかった。
が、その晩、勤めから帰って来ていつものように何事もなさそうにしている夫を見ると、突然その夫を狼狽させたくなって、二人きりになってからそっと朝の喀血のことを打明けた。