堀辰雄 『菜穂子』 菜穂子はそれには故意と返事をせずに、ただ相手をじっと見つめ返していた。 それがいま夫の云った言葉をいかにも空虚に響かせた。 夫はそう云う菜穂子の眼ざしから顔を外らせた儘、もうそんな気休めのようなことは口に出さなかった。 堀辰雄の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア