それまでその危篤の許嫁の枕もとにふだんと少しも変らない静かな様子で附添っていた青年はそれを知ると、急にその傍を離れて、扉のそとへ飛び出して行ってしまった。
そしてその陰で、突然、それが病人にもわかるほど、嬉し泣きに泣きじゃくり出したのだそうだった。
診察から帰って来たときも、菜穂子はまだその病室の前にその白いスウェタアを着た青年が、さすがにもう声に出して泣いてはいなかったけれど、やはり同じように両腕で顔を掩いながら立ち続けているのを見出した。
それまでその危篤の許嫁の枕もとにふだんと少しも変らない静かな様子で附添っていた青年はそれを知ると、急にその傍を離れて、扉のそとへ飛び出して行ってしまった。
そしてその陰で、突然、それが病人にもわかるほど、嬉し泣きに泣きじゃくり出したのだそうだった。
診察から帰って来たときも、菜穂子はまだその病室の前にその白いスウェタアを着た青年が、さすがにもう声に出して泣いてはいなかったけれど、やはり同じように両腕で顔を掩いながら立ち続けているのを見出した。