そんな咄嗟の考えがいかにも彼に気に入ったように、明はもう意を決したような面持ちで、赭松に手をかけた儘、夕日を背に浴びた早苗と巡査の姿が遂に見えなくなるまで見送っていた。
二人は相変らず自転車を中にして互に近づいたり離れたりしながら歩いていた。
六月にはいってから、二十分の散歩を許されるようになった菜穂子は、気分のいい日などには、よく山麓の牧場の方まで一人でぶらつきに行った。
そんな咄嗟の考えがいかにも彼に気に入ったように、明はもう意を決したような面持ちで、赭松に手をかけた儘、夕日を背に浴びた早苗と巡査の姿が遂に見えなくなるまで見送っていた。
二人は相変らず自転車を中にして互に近づいたり離れたりしながら歩いていた。
六月にはいってから、二十分の散歩を許されるようになった菜穂子は、気分のいい日などには、よく山麓の牧場の方まで一人でぶらつきに行った。