だんだん近づいて見ると、それは何んと云う木だか知らなかったけれど、幹が二つに分かれて、一方の幹には青い葉が簇がり出ているのに、他方の幹だけはいかにも苦しみ悶えているような枝ぶりをしながらすっかり枯れていた。
菜穂子は、形のいい葉が風に揺れて光っている一方の梢と、痛々しいまでに枯れたもう一方の梢とを見比べながら、
「私もあんな風に生きているのだわ、きっと。
だんだん近づいて見ると、それは何んと云う木だか知らなかったけれど、幹が二つに分かれて、一方の幹には青い葉が簇がり出ているのに、他方の幹だけはいかにも苦しみ悶えているような枝ぶりをしながらすっかり枯れていた。
菜穂子は、形のいい葉が風に揺れて光っている一方の梢と、痛々しいまでに枯れたもう一方の梢とを見比べながら、
「私もあんな風に生きているのだわ、きっと。