菜穂子はそんな彼女らしい独断を下しながら、自分自身も姑にはすっかり快くなったように見え、こんな山の療養所にいつまでも一人で居るのを何かと云われはすまいかと気づかいでもするように、自分の左の肺からまだラッセルがとれないでいる事なんぞを、いかにも不安そうに説明したりした。
突き当りの病棟の二階の端近くにある病室にはいると、姑はクレゾオルの匂のする病室の中をちらりと見廻したきりで、長くその中に止まることを怖れるかのように、すぐ露台へ出て行った。
露台はうすら寒そうだった。
菜穂子はそんな彼女らしい独断を下しながら、自分自身も姑にはすっかり快くなったように見え、こんな山の療養所にいつまでも一人で居るのを何かと云われはすまいかと気づかいでもするように、自分の左の肺からまだラッセルがとれないでいる事なんぞを、いかにも不安そうに説明したりした。
突き当りの病棟の二階の端近くにある病室にはいると、姑はクレゾオルの匂のする病室の中をちらりと見廻したきりで、長くその中に止まることを怖れるかのように、すぐ露台へ出て行った。
露台はうすら寒そうだった。